馬場さんご家族が、私たちの「大きな森の小さなギャラリー」訪ねて来られ、新しい暮らしについて、いろんなお話しをしました。原村の自然の豊かさに、日々の活力を得ることができると、定住を決心。その後、ワインの商いに適した天然セラーにできる蔵付きの築130年の古民家にたどり着いたのです。商いと暮らしと、子育てをひとつにした考えを、共に話し合いつくりあげのです。キッチンとダイニングテーブル、その向こうに家族のだんらんとなる薪ストーブの広間、縁側のガラス戸を開け放つと、南の庭と蔵が見える。この軸線をもとに、古民家の主家と蔵の間の庭に、広いウッドデッキを設け、そこに一坪の小さな焼き菓子厨房小屋をつくる。その向こうにワインの天然セラーの蔵が見えるという計画です。古民家に刻まれた時間をひとつの財産として住んでいただけるよう、必要最小限の改修工事を行いました。可能な限りローコストでDIYができるように、アイデアをイメージスケッチにして、お伝えしました。具体的にはキッチンとダイニングテーブルと、床を新しくする。水廻り(洗面・トイレ、浴室)を収納家具で囲うようにつくる。こどもたちのための囲い遊具の発想や、絵本棚、成長に合わせ自在に配置できるこどもデスクや本棚をつくる。古民家の力強い梁と柱のおおらかな空間に、フレキシブルな家具をつくる計画としました。そして店となる蔵には、美しい光を透かし映し、仕切る働きをする藍染めと布を配したのです。