設計した中で、いちばんちいさなお家。訪ねた日のムービー
小ささを いつくしみ、 簡素さへのきっぱりとした考え、 ご夫婦の暮らし。 それは、ちいさな素敵な家です。 東京の暮らしから この美しい山里が好きでご祖父の代の土地にもどろうと、水源の山 栗園になった田 広い畑、ここに移り住む。「土地を見てください」と相談のため 私達を訪ねた日から計画は、始まった。3つ小さな家のプランを提案すると、にっこり笑って「これ!」と選んだのは、いちばん小さな家。農的な暮らしをささえる簡潔な里山動線 心に無垢な、里山時間が流れる。
特集掲載 住まいネット+岐阜 VOL.19
特集掲載 季刊誌「住む。」 季刊春 NO.21
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これからの暮らしの計画についてお話をゆっくりと伺ったとき、私たちには、ひとつの想いがありました。これまで設計の仕事をし、私達自身、求めた簡素な暮らし。ご夫婦のためにこの家が実現できなければ、今まで何をしてきたのか分かりません。当時予算のことを考えると厳しいものがありましたが、小さな簡素な家に共感できることを手掛かりにスタートしたのです。
この家には大きな窓があります。先住の大きな桜、春になったらこの大きな窓に映る風景はどんなにきれいでしょうと、大きな窓を考える。桜もまわりの風景も、ふたりをやさしく迎えてくれたはず。今では近くの隣人のおばぁちゃんもやって来て、窓辺をゆっくり楽しみ、お茶を楽しまれるそうです。
こんなにいっぱい自然があるのだから、小さな家でかまいませんとおっしゃった。その後、自力で山から水を引き、畑を開墾し土を育て野菜の収穫、風呂を薪で焚く(薪給湯機)。東京から友人が大勢泊まりにやって来て、デッキにテントを張って過ごした様子など、出来事のあれこれで話が弾む、アカショウビンがやってくると、野鳥の本を開いては、いつまでも話はつきません。計画の頃、小さい家の三案の中からいちばん小さな家をにこっと、選んだことが今でも忘れられません。今も「私たちはこの家でじゅうぶん、今まで不自由を感じたことありません、快適に過ごしていますよ」と、、、
家の広さってなんだろうと考えさせられます。ご夫婦のさっぱりとした暮らしぶり、ほんとうに大切なものを求める、それが素晴らしいのだと思えるのです。コーヒーが大好き、台所に立つと手つきはまるで喫茶店のマスターで、おいしい香りが8畳ほどのダイニング・リビング・キッチンで一室の部屋にひろがります。
必要充分なかたちを求め、循環をつくり出せる暮らし。帰りたいを場所見つけるための原点回帰。都市から移り住む、新たな生き方を手探りする人がいる、先駆けて、自ら変わろうと手探りする人がいる、そのために、私達は何ができるだろう。
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